この3月まで、東大医学部付属病院の集中治療部部長だった矢作直樹氏の著書。
彼の著書は、生死のはざまを医者という立場で仕事に向き合ってこられたうえで
感じてこられた心のありようを書いておられ、非常に興味深い。
この本「変わる」には「心を整え、人生を楽にする73のコツ」という副題が
ついている。
自分の人生を変えるのは 「変わる」力であり、現状をほんの少し変えるだけで
未来が変わり、残りの人生ががらりと変わる、そのための方法を紹介しており
心に残った点を下記に記しておく。
①視点を変えて新しい世界をひらく。
眼の前のことに追われずに、現状を上のほうから広い視野で眺めること。鷹の目で
上から見えると、悩んでいたことがちっぽけで、どんな人にもお役目があることが
わかる。そこから学ぶことがある。
そして仕事をするためだけに生まれてきたわけではないので、自分の好きなことに
没頭する時間を持つこと。旅に出ること。ーーこれは私のモットーかもーーー
健康の秘訣は無理しないこと。
②頭を整理すると、より良いものだけ見えてくる
・選択に迷ったときは3つの問いで本音を引き出す。
「なぜそれをしたいのか」「いつまでにやるのか」「するには何が必要か?」
・情報過多の時代には、安易に信じない。こだわらないことが大切。
心が揺れるとき「信じることで自分が気持いいのか?」自分の本心を
知るよい方法。そこに愛があるか、合理性があるかといった視点で自分の正解を
探して常にゆったりかまえておくこと。これで心の平静は保てる。
③思い込みを捨てると学びが増える
他人からの評判や評価なんか気にせず、お天道様に恥じないよう生きればよい。
選ばれないのはご縁とお役目が違うから。
スルーすることが最強のストレス回避策。
④人と自然の理を知って、楽に生きる
・持ち物を減らすと心の荷物が激減。
・自然を感じると大らかな視点を取り戻せる。
・相手の「ため」ではなく「立場」で考える。
・自分のお役目を果たすためには、流されず自分の心に従っていきること。
⑤今この瞬間を丁寧に生きる
・判断に迷ったら「これでいい」と自分を信じる力と勇気を持つこと。
・あるがまま自然体で生きていれば出会うべき人とは出会う。
・改善するには、焦らず腐らず待つこと。
・やるべきことは今やっておく。
当たり前のようで、なかなかできていない。思わずハッとするヒントが
この本の中にある。心が軽くなる優しい本だ。